ボヘミアンラプソディーに秘められたメッセージは何か? 〜切れ味ある戦略に insight あり!
- neso37
- 2022年7月28日
- 読了時間: 4分

ボヘミアンラプソディーに秘められたメッセージは何か?
世界での興行収入が9億ドル(約1000億円)を突破し、 第91回アカデミー賞で4冠に輝いた『ボヘミアン・ラプソディ』。 ロックバンド Queen の大ヒットした伝記映画です。 ある番組の中でブライアン・メイへの質問がありました。※1 「ボヘミアンラプソディーに秘められたメッセージは何か?」 そこで、 ブライアンは何と答えたのか? 答えのシーンに入る前に、録画VTRをいったん Pause します。
Thinking time 5分。 「まずは自分で考えてみよう!」 みなさんもご一緒にどうぞ。 「メッセージは何か?」ということは、歌詞の内容にヒントがあると考え、 私は、歌詞の内容をググって、おさらいしました。 そこから言えることは、ざっくりと 「生きる上での苦悩」 「心の葛藤」 切り口を変えて 「自分との訣別」 「母親に乞う赦し」 さらに 「性的マイノリティーであることの孤独」 苦悩、葛藤、決別、孤独など重いトーンの言葉が出てきます。 オペラのひと幕を模して、プロットが進み、場面の展開に沿って曲の構成が変化します。 大聖堂のような壮麗なハーモニー。 音楽空間を切り裂くようなブライアンのギター・リフ。 スリリングなほど目まぐるしく展開する曲調。 一通り考えて出た答え。 ここで私のアンサー。 ボヘミアンラプソディーに秘められたメッセージとは、 「人生の予想しえない〝ひと幕〟と〝苦悩〟のスリリングな連続である」 そこで再生し、答え合わせです。 「ボヘミアンラプソディーに秘められたメッセージは何か?」 ブライアンが答えます。 「誰にもわからない」(えっ! 答えになってない!)※( )内は私の心の声です。 「誰にもわからないことに僕はむしろ感謝している」(言っている意味がわからない!!) 「もちろん、フレディの心の中にはいろいろあったと思うんだ。 ちょっとした魔法や空想やいろんな感情を織り込むのが好きだったから」(それはわかる) 「でもそれを解き明かすのは無駄だと思う」(それを言ったら終わりでしょう) 「あの歌詞にどんな意味が込められているか、それは誰にもわからないんだよ」 (もういいです) 「あれこれ言う人はいるけれど『良くない』とはだれも言えないのが あの曲の凄いところさ」 「僕たちが世に送り出した曲が大勢の人生に影響与えたと 言ってもらえるのはとても名誉なことだと思う」 これがブライアンのアンサー。 このアンサーが実は深いのです。 では、曲をつくったフレディはどう考えていたのでしょうか。 ブライアン曰く、 「フレディは話したがらなかったんだよ」 ということでフレディはノー・アンサー。 アーティストらしい深〜いコメントもしようと思えばできるはずなんですが。 私は、フレディもブライアンも自分なりの答えを持っていたと思います。 ところが、 「メッセージは『誰にもわからない』」が答えです。 それでは答えになってないのです。 それはなぜか? そこで、さらに考えてみましょう。 あの曲を聴くと、インスパイアされます。 刺激的なインスピレーションが得られます。 インスパイアやインスピレーションの内容は聴く人、 一人ひとり異なるものです。 そして、私が考えたファイナルアンサー。 「具体的に〝これ〟とは特定できないが、 〝多くの人の人生に影響を与えるほどの強いインスパイア、 刺激的なインスピレーション〟そのものがメッセージだ」と。 発信者である〝 Queen として〟 のメッセージは『誰にもわからない』。 が、受け手としての、〝私にとって〟のメッセージ。それは明快。 送り手と受け手で異なるメッセージ。 『誰にもわからない』が『私にはわかる』メッセージなのです。 「誰にもわからないことに僕はむしろ感謝している」 とはそういうことなのです。 VTRを観ていて最初、このコメントの意味がわかりませんでした。 考えを深めて気がついたのです。 Queen の insight が深い。深すぎます。 まるでブランドとパーセプションの関係です。 この文脈で言っているブランドとは「企業が何を伝え、どう行動するか」です。 パーセプションとは「世の中がどう認識し、判断するか」です。 「よく、ここまで考え抜いたものだ」といった insight 。 しかも一瞬にものごとの本質を見抜く洞察。 そういった insight を感じる戦略に拍手喝采です。
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